「黒いダイヤ」と称され、かつては非常に高値で取引されていたオオクワガタ。しかし、近年ではブリード技術の進歩や流通量の増加により、その価格は大幅に下がり、飼いやすい昆虫ペットとして多くの愛好家に親しまれるようになりました。
本記事では、最新のオオクワガタの価格情報と、初心者でも失敗しない「冬眠のさせ方」について詳しく解説します。オオクワガタの飼育に興味がある方や、これから迎えようと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
オオクワガタとは?黒いダイヤと呼ばれた理由
オオクワガタ(学名:Dorcus hopei binodulosus)は、クワガタムシの中でも特に人気の高い種類で、日本をはじめ、アジア地域に広く分布しています。その最大の魅力は、艶のある黒いボディと堂々とした体格。中でも60mmを超える大型個体は「黒いダイヤ」と呼ばれ、かつては数十万円で取引されることもあった伝説的存在です。
しかし、現在では養殖(ブリード)技術の発達により、繁殖が安定して行えるようになったことで、価格もリーズナブルになり、初心者でも手軽に楽しめる昆虫ペットとなりました。
【2025年版】オオクワガタの価格相場|国産・外国産・サイズ別
オオクワガタの価格は、「国産」か「外国産」か、「天然物」か「ブリード(養殖)物」か、そして「サイズ」によって異なります。以下に最新の価格相場を一覧でご紹介します。
国産オオクワガタの価格(ブリード個体)
サイズ | 価格(ペア) |
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♂60mm前半ペア | 約15,000円~ |
♂70mm以上ペア | 約30,000円〜100,000円 |
♂80mm超ペア | 数十万円〜希少価値 |
♂単体の販売もあり、小型個体であれば5,000円前後で入手可能。
国産ヒラタクワガタの価格(天然物)
サイズ | 価格(ペア) |
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サイズフリー | 約1,500円~ |
♂60mm超ペア | 約3,000円〜6,000円 |
外国産オオクワガタの価格(例:パリーオオクワガタ)
サイズ | 価格(ペア) |
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♂60mm代ペア | 約1,280円〜 |
♂70mm以上ペア | 約3,000円〜8,000円 |
外国産ヒラタクワガタの価格(例:スマトラオオヒラタ)
産地 | 価格(ペア) |
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ベンクール産 | 約980円〜1,500円 |
アチェ産 | 約3,000円〜10,000円 |
価格が安くなった理由とは?
かつてオオクワガタは、天然個体の採集が困難だったため、高値で取引されていました。しかし現在では、ブリードによる大量繁殖が可能となり、安定した供給が実現。その結果、価格が大きく下がったのです。
なお、血統が良い個体や大型個体、天然物は、依然として高値を維持しています。
オオクワガタの購入時の注意点|ネット通販は送料に注意
近年は、ネット通販やオークションサイトで手軽に昆虫を購入できるようになりましたが、以下の点に注意しましょう。
- 送料・梱包料が割高になる場合がある
- 生体保証(死着保証)の有無を確認
- 輸送中の温度管理が重要(特に冬場や夏場)
特に冬場は低温で個体が弱る可能性があるため、発泡スチロールの使用やホッカイロの同封など、ショップの対応力も選定基準に加えましょう。
オオクワガタの冬眠|失敗しない冬眠管理法
オオクワガタは温暖な気候下で活発に活動しますが、冬季は活動が鈍り、「冬眠状態」に入ります。この冬眠管理を正しく行わないと、命に関わることもあるため注意が必要です。
オオクワガタは「冬眠」する?しない?
正確には、「完全な冬眠」ではなく、**代謝が極端に下がる「休眠状態」**になります。この間は動きが鈍くなり、エサを食べなくなりますが、完全に寝ているわけではありません。
冬眠させる適正温度とは?
- 理想温度:10℃〜15℃
- 飼育可能温度:5℃〜20℃
- それ以上は活動再開のリスク
屋内飼育で常時20℃以上の場合、冬眠せずに活動を続ける可能性が高いため、温度管理が重要です。
冬眠中の水分補給のポイント
冬眠中も水分補給は必要不可欠です。昆虫ゼリーは不要ですが、以下を徹底してください。
- 飼育マットに適度な湿り気を保つ
- 乾燥防止のため、週1回は霧吹き
- 極端な湿度(カビ・ダニ繁殖)はNG
水分が不足すると、冬眠中に脱水で弱ってしまうことがあります。
冬眠から目覚めさせる方法
- 室温を25℃以上に設定し、2〜3日継続する
- 徐々に活動を再開。焦らず待つ
- 活動開始の兆候が見えたら昆虫ゼリーを設置
なお、一部の個体は数回の温度上昇を経験しないと目覚めないこともあるため、焦らずに対応しましょう。
ダニ対策|冬眠中も清潔を保つ
冬眠中は動きが鈍くなるため、ダニによる窒息のリスクが高まります。
- 使用するマットはダニ防止加工済みを選択
- 過度な湿気に注意
- 1〜2ヶ月に1度はマットの状態確認
オオクワガタ飼育の心構え|生き物への責任
オオクワガタは、たとえ「昆虫」とはいえ、かけがえのない命を持つ生き物です。飼育を始めたら、最後まで責任を持って育てましょう。
- 適切な飼育環境の整備
- 栄養管理(昆虫ゼリーなど)
- 繁殖期の対応(交尾・産卵)
あなたの手で育てるオオクワガタは、世界でたった一匹の大切なパートナー。**愛情を持って接することが、何よりの「飼育の基本」**です。
まとめ|オオクワガタの魅力と正しい飼育を知ろう
- オオクワガタの価格は昔と比べて大幅に安価になり、初心者にも最適
- 冬眠は正しい温度・湿度管理が鍵。失敗は命取りになることも
- ダニ対策や水分補給も欠かさず、清潔な環境維持が重要
- 飼育は命を預かる責任。最後まで愛情を持って育てよう
オオクワガタは、**見た目の美しさと長寿(3〜5年)**が魅力の昆虫です。しっかりと育てれば、毎年楽しみを与えてくれることでしょう。
オオクワガタに限らず、ペットを飼ったのなら最後まで責任を持ちたいものです。
たとえ虫でも、生き物である以上、
あなたの全身全霊をかけて育てて上げて下さい
それが、飼い主の「責任」だと思います。
あなたの大事なオオクワガタちゃんは世界に一匹しかいない事を自覚され、
是非、可愛がって育てて下さいね^^
参考情報
- 昆虫専門店「むし社」
- 日本オオクワガタ協会公式サイト
- 環境省「ペット飼育に関するガイドライン」